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“青年”(バリトン)=なぜ“オルフェ”?〔その4〕 [登場人物]

〔その3 からつづく〕

そもそも、オペラの世界で「オルフェ」は特別な素材という印象があります。
まず、いまも内外で上演される数々のオペラの中で最も古い時代の作品として、モンテヴェルディの『オルフェオ』(1607)があります(モンテヴェルディより前に、ペーリという作曲家もオルフェにもとづくオペラを書いていたそうです)。

その後も、よく知られているだけでもグルック『オルフェオとエウリディーチェ』(1762)とオッフェンバック『天国と地獄』(1858、運動会につきもののあの曲が出てくるオペラ)があります。当然ながら三善清達氏の「オルフェ」についての論考のなかにも、さらに示唆的な記述が多々あり、「日本人によるオペラ上演第1号もグルックの『オルフォイス』だ。」というのもまさに的を射た指摘です。

オペラ史における「オルフェ」の400年にわたる系譜に、20世紀の大江&芥川『ヒロシマのオルフェ』を位置付け、もっと深く色々な角度から追求したら…はたしてなにが見えてくるのでしょうか。思索はとめどなく拡がります。

結局、「オルフェ」の由来は、一番最初に原作者によって与えられたタイトルにあった。そのことが分かっただけで十分なのかもしれません。
『ヒロシマのオルフェ』というタイトルと、実際には一度も「オルフェ」という単語が登場しない、舞台で歌われる歌詞。その間にある距離の意味合いを読み取ることも、この作品を演奏し、あるいは聴き継いでいく私たち1人1人に委ねられているのだと感じます。

〔この項ひとまず-完-〕

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