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20世紀のオペラとしての『ヒロシマのオルフェ』(その2) [作品]

『ヒロシマのオルフェ』(1967、作曲:芥川也寸志、台本:大江健三郎)と、『青ひげ公の城』(1911、作曲:バルトーク[1881-1945]、台本:バラージュ[1884-1949])を並べてみよう、と思ったのは:

・『オルフェ』は1幕“7”場。
『青ひげ』も1幕もので、城の中の“7つ”の扉を順に開けていく展開になっている。

・『オルフェ』では、青年が撃たれる4場の後半が音楽的に大きなクライマックス。
『青ひげ』では、5つめの扉(~青ひげの広大な領地)をユディトが開けると、誇らしげな青ひげが高らかに歌い、管弦楽が最高潮に達する。
作品の中の、ヤマ場を置くバランス、オーケストラのtutti(全奏)の効果を活かしきっている見事さが、きわめて類似しているように感じられる。

・半音をぶつける緊迫した響き、五音音階的な東洋的な響き、などなど、具体的にしらべたら、音楽の意味するところにもたくさんの共通点がありそう。

というような印象があったからです。さらに、

・いずれも、同世代の作曲家と作家が、母国語のテキストによって歌われる作品を創ったということ。
『青ひげ』はドイツ語上演も行われていますが、やはりハンガリー語の原語上演における、音楽と言葉の不可分な感覚は圧倒的だと思います。

・芥川もバルトークも若い時に書いたその作品が、唯一のオペラであるということ。

・答えの出ない深いテーマを、わずか1時間(足らず)の音楽と歌詞に凝縮し描ききっていること。

等々。
そして、この2作品が一番共通しているところは、男女の愛のありかたの、永遠に埋められない溝をテーマにしていることなのだと思います。
それは『青ひげ』では唯一最大のテーマであり、『オルフェ』においては被爆という縦糸に対する横糸なのだと感じます。

娘のいくつかの台詞に、特にそのことを感じます。
〔つづく〕

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